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開発技術第2部は、部長、主任2名、部員2名の計5名で構成されており、主に有機合成による化合物の製造法の検討、実機プラントスケールでの工業化、大学との共同研究、営業部からの依頼テーマなどを行っている。彼が入社以来取り組んできたテーマは、大和化成研究所の研究領域とは異なる有機合成を中心にした医薬中間体、電子材料、光学材料、防錆剤などで、特に光学材料に関しては、入社する前に勤務していた研究所で6年間、技術やノウハウを身につけていた。
入社直後、彼は得意分野を生かしたさまざまな製品の工業化を検討した。しかし、大和化成研究所は水系の無機薬剤が中心で、有機溶剤を使用して製造する設備はなく、ユーザーとのコスト面の課題、製造時に危険が伴うなどの問題で、自分の研究を断念しなければいけない状況が3年ほど続き、その間、何をやっても成果が上がらなかった。

焦りを感じた彼は、再度、自分が本当にやりたい研究で勝負してみようと、企画書を作成し、会議の場で市場動向、自社が開発していく製品などに関してプレゼンテーションをした。「GO!」が出た。それから約2年間、一心腐乱で開発に邁進し、100種類以上の光学材料の合成を手がけた。自分で営業活動を行い、サンプルをバラまき、飛びこみ訪問なども試みた。が、相手にされず、再び挫折を味わうのである。
「あの頃、何度、奥濱社長には怒られたか、毎日怒鳴れていました。それでもやる気があれば、自由に動くことができ、上司も同僚も工場長も会社一丸でサポートしてくれました」。彼の研究が日の目を見るのは、まったくの偶然からである。グループ会社の大和化成(株)に、大手化学メーカーに勤務していた人物が入社し、その人に自分の熱意を打ち明けることで、ユーザーに取り次いでもらい、2社での採用が決定し、2005年工業製品として出荷した。
彼は成功のきっかけは「人」だと言う。社長の決断、上司の人脈、そして、同僚の研究部員・製造部員の協力があって初めて有機合成という、大和化成研究所では手がけていなかった分野の道を拓き、自社ブランドの光学材料を製品化し市場に投入することができたのだと。
彼の開発した光学材料は、それまで独占価格であったものを自由価格にし、ユーザーの新規製品開発のスピードを速めた。現在、2008年度からの電子材料の大量生産をにらみ、有機合成の新規設備が導入中である。部員も3人から5人へと増員された。彼はいま、新製品の開発、既存製品の更なる改善、コスト削減をめざして研究室でいきいきと研究に邁進している。

大和化成が手がける光学材料はこれまで1社の独占市場でした。この牙城に切り込むために有機合成のプロジェクトを立ち上げました。今後、有機合成技術を確立し電子材料分野、フィルムやコーティング剤などの製品化をめざしています。