スズめっきをイノベーション

DAIN TINGOOD(ダインティングッド)

さらなる高品質とコストカットを 実現する新添加剤

スズめっきとは

古くからねじなどの防錆めっきとして使われてきた「スズめっき」は、現在ではあらゆる電化製品や自動車、スマートフォンなどに幅広く使用されています。 大和化成は創立当初から金属表面処理を得意分野とし、電子・半導体のスズ・スズ合金めっき液の研究開発に取り組んできました。 電子機器に欠かせないスズめっきとはなにか、大和化成のスズ・スズ合金めっき液への取り組み。 そして、スズめっきをイノベーションする新しい添加剤“DAIN TINGOOD(ダインティングッド)”を紹介します。

そもそも「スズめっき」とは

スズは銀白色の金属で、英語名はTin、元素記号はSn。古くから重要な金属材料で、鋼板上のスズめっきは別称「ブリキ」としてよく知られています。スズは融点が低く(231.9℃)極めて展延性に富み、大気中で変色しにくく、濃い酸や熱アルカリ水溶液には溶けますが、薄い酸、特に有機酸にはほとんど溶けない性質があります。このため、食品に含まれる有機酸にもおかされないこと、毒性が極めて低いことなどから、缶詰容器や食品用器具に利用されてきました。

近年、スズ・スズ合金めっきは、はんだ付け性が優れていることと接触抵抗が小さい点から、はんだめっきとして、半導体リードフレームのアウターリード、コネクタ、チップ部分など、各種電子部品の接合に多く利用されています。

スズめっきの特長

  1. 大気中で美しい光沢を保ち変色しにくい。
  2. 皮膜が非常に柔らかく展延性に優れている。
  3. 溶融点が低い(231.9℃)。
  4. はんだ付け性に優れている。
  5. 毒性が極めて低く人体に害が少ない。
  6. 有機酸に対して耐食性に優れている。
  7. 窒化防止に優れている。
  8. 摺動部品のなじみ性が良い。
  9. 装飾性に優れている。

スズめっきを施すことで展延性、はんだ付け性、摺動性(潤滑性)、耐食性などが向上します。

スズめっきのデメリット

  1. 皮膜に欠陥が生じ素材が露出すると、腐食が促進。
  2. 皮膜が柔らかいため、拭き取りなどで擦り傷がつきやすい。
  3. 高温で使用できない。
  4. 放置しておくとウイスカが成長し、電気回路を短絡させる。

大和化成の「スズ・スズ合金めっき液」研究の略史

めっきの歴史は古く、紀元前1500年頃にメソポタミア地方北部のアッシリアで、鉄器などにスズめっきが行われていたのが始まりとされています。 大和化成はこのスズ・スズ合金めっき液の研究を1964年の創立当初から取り組んでいます。

  • 1960年代

    電子工業の勃興期、テレビなど電化製品が家庭に浸透。

  • 1964

    兵庫県工業奨励館(現・兵庫県工業技術センター)は、スズ・スズ合金(はんだ)めっきの特許を取得。 大和化成は特許の使用許可を得る。

  • 1967

    スズめっき・スズ合金(はんだ)電気めっき液の研究に着手(以降、スズ・はんだ電気めっきで表記)。

  • 1970
    • スズ・はんだ電気めっき液の製造を開始。
    • 兵庫県工業奨励館の研究員が「スズ・はんだめっきの光沢剤」を開発し特許を所得。この製造を大和化成グループが行うことになる。
  • 1972
    • スズ・はんだ電気めっき液の光沢剤の製造に着手。
    • スズ・はんだ電気めっき液用のフェノールスルホン酸液を自社開発。続いて、アルカノールスルホン酸、メタンスルホン酸も開発。
  • 1975年~

    スズ・はんだ電気めっき液に関して国内市場の70%を占有。

  • 1978

    U.S.Pat取得。

  • 1979
    • アルミニウム及びアルミニウム合金の着色陽極酸化方法の特許取得。
      (アルミサッシや電話ボックスなどに採用される)
    • めっき液の自社ブランド「DAIN」誕生、意匠登録。
  • 1989

    ※世界で初めて「ノンシアン銀めっき液」を開発。

  • 1992

    バンプ用めっき薬剤「LAリキッド」を2社で商標登録(タッチパネル用バンプスズめっき薬剤として販売)。

  • 1996

    はんだ付け鉛フリー技術の特許を次々と出願。

  • 2004
    • 鉛フリーに関する特許出願数で全国8位に(社団法人発明協会2005年調べ)。
    • 六価クロムフリーの製品開発。

    ※2006年 RoHS規制が施行。

  • 2010

    クリーンルーム中心の工場を新設(明石西工場)。

  • 2013

    スズめっき用プロセス“DAIN TINGOOD”を販売。

  • 2020

    高融点はんだめっき用 スズ-アンチモン合金めっき“DAIN TINGOOD802”を開発。

1970年代半ば、電子機器の回線接合のキーとなる 「スズ・はんだ電気めっき液」で国内シェアの70%を占有

電子機器の中には基板と呼ばれるものがあり、基板の中には電子部品や半導体関連のICチップという集積回路が入っています。 プリント基板業界では、基板にICチップなどをはんだ付けする際に、基板や部品にはあらかじめスズ・はんだめっきを施します。 これは部品とはんだのなじみを良好にするためにです。

大和化成は半世紀以上にわたり、このスズ・はんだ電気めっき液の開発に取り組んできました。 要素液であるフェノールスルホン酸スズ及び鉛塩類、メタンスルホン酸スズ及び鉛塩類など、スズ・はんだ電気めっき液に欠かせないめっき液を開発し製造しました。 1975年頃にはスズ・はんだ電気めっき液に関して市場の70%を占有しました。

1990年代、環境問題を先取りし、いち早く「鉛フリーめっき液」を研究

電気・電子部品の組み立てに欠かせないはんだ付け。 スズと鉛の合金であるはんだが大量に使用されました。 しかし、鉛には毒性があり、はんだ付けを行う際に気化した鉛が人体に入ると健康を損なう恐れがあり、産業界には鉛の含有量を減らした「鉛フリー」のはんだを求める声がありました。

1990年代に入ると、破棄された電化製品の基板部分に酸を含んだ雨が降り注ぐことによって鉛が溶け出し、地下の土壌や地下水を汚染させる懸念が指摘され、鉛を含まないはんだの研究が進められました。 2003年、欧州連合(EU)で電子・電子機器での鉛の使用禁止を制定したRoHS指令が公布(施行2006年)されると「鉛フリー化」の要望は本格化し、現在では「鉛フリーのはんだ」へと移行しています。

大和化成は早くから、働く人の作業環境の改善のために有害化学物質の排除に取り組んでおり、鉛の代わりにスズを中心に銀、ビスマス、インジウムという金属を添加した鉛フリーのめっき液の開発に着手しました。 「スズ-ビズマス合金めっき液」などを他社に先駆けて開発し、1996年には特許を取得しました。 代替はんだの強度不足や融点上昇の問題に起因する電気製品の製造不良などを様々な問題に取り組み、現在も、より高品質で付加価値の高い「鉛フリーめっき液」の研究を続けています。

鉛フリーはんだめっき液を使用した基板

鉛と暴君ネロ

鉛が人体に有害であることが判明したのは20世紀前半で、それまでは女性のおしろいなどに使われていました。 古代ローマの貴族たちは鉛の器でワインを飲んでいたせいで、神経障害などの病気に悩み続けたとか。 暴虐無尽の皇帝ネロの性格が凶暴になったのは鉛が原因の一つだったとも言われています。 鉛は、口から継続的に入ると骨髄神経を害し、貧血、血液変化、神経障害身体の衰弱等を起こす恐ろしい金属です。

スズめっきをイノベーション DAIN TINGOOD(ダインティングッド)シリーズ

さらなる高品質、コストカットを実現する新添加剤

DAINは大和化成の表面処理薬品のオリジナルブランド名で、TINはスズ、GOODは良質や優秀な意味を持ちます。 ダインティングッドは、電子・半導体関連のスズ・スズ合金めっき液の研究に取り組み、数々の独創的な表面処理薬品を開発してきた大和化成の「鉛フリーのスズめっきプロセス」のための新しい添加剤です。

現在、エレクトロニクスを支えるめっきは、電子機器の高性能化、小型化によって、ファイン化が要求されコストが増加しています。 ダインティングッドは、スズめっき液研究のノウハウを結集し、特に要望の多い「バレルめっき」を中心に、さらなる高品質とトータルコストの削減を実現します。

ダイン ティングッドシリーズの特長

  • くみ出しや補給の多いバレルめっきなどのトータルコストを削減。

    例:高濃度スズ塩“DAIN TINGOOD S-25”の場合

    高スズ濃度かつ高比重のため、補給の際に液量の増加を軽減。 汲み出しの多いバレルめっきのトータルコストを削減します。

  • バレル・ラック・フープ・高速仕様など、様々な用途に対応。
  • Sn-Bi(スズビスマス)、Sn-AG(スズ銀)など、鉛フリー対策用のスズ合金めっきに対応。
  • 無光沢~半光沢、高光沢まで、幅広い仕様の添加剤を提案。
  • 高融点、高速使用などの添加剤もラインナップ
  • 前処理・めっき・後処理を含めた「スズめっきプロセス」のトータルコストを削減。

製品ラインナップ

ダインティングッドシリーズは、スズめっきプロセスのコストカットだけではなく、各種仕様や用途に合わせた様々な添加剤をラインナップしています。